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ノルウェーに留学する方法

みなさまこんにちは!山瀬クリスティーナ静香です。
トロンハイムでは最近日がどんどん長くなってきて雪もたくさん降るので毎日がスキー日和です!

さて、本日はノルウェーに留学する方法についてご紹介したいと思います。

ノルウェーに留学するメジャーな方法は主に2種類あります。

  1. 在籍中の大学の交換留学システムを使う
  2. 日本の大学(学部)を卒業してから修士課程に入学する

1番の交換留学については私自身が経験がないのと、所属する大学によって可能かどうかが決まってしまうので、今回は2番の修士課程に入学する方法をご紹介していきます。
ちなみに交換留学では半年や一年間違う国の大学に通うことができ、留学先でとった単位を所属する大学の単位に変換することができるシステムです。現在大学生で交換留学が可能な方はこのシステムを利用することをおすすめします!
また、学部から正規入学することももちろん可能ですが、学部入学には多くの場合にノルウェー語で授業が行われるので、この記事では英語で授業が行われることの多い修士課程について書いていきます。

ノルウェーの大学の探し方

修士課程のプログラムに応募するには、ノルウェーにどのような大学があるのかを探す必要があります。
「Norwegian Universities(ノルウェーの大学)」などで検索するとリストが出てきます。

まず調べるべき代表的な大学だと

  • オスロ大学(University of Oslo)
  • ノルウェー科学技術大学(Norwegian University of Science and Technology)
  • ベルゲン大学(University of Bergen)
  • トロムソ大学(The Arctic University of Norway)
  • ノルウェー生命科学大学(Norwegian University of Life Sciences)
  • スタヴァンゲル大学(University of Stavanger)

等がありますが、他にもあるので自分の納得するプログラムがある大学を探してみてください。
プログラムの探し方としては大学公式ホームページが一番おすすめです。
プログラムに応募するための資格・プログラムが何語で教えられているのか・提出書類・締め切り
など、すべての情報が書いてありますので、くまなくチェックすることをおすすめします。

ノルウェーの修士課程に応募するための資格

具体的に修士課程に応募するためにはどのような資格が必要なのかを具体的に見ていきたいと思います。
私が卒業したノルウェー科学技術大学(NTNU)の物理学科を例に見ていきたいと思います。

こちらがNTNUのホームページです。
https://www.ntnu.edu/
“Master’s programmes taught in English” というページがすぐに出てきますのでそちらから自分の学びたいプログラムを見ていきます。
日本から応募する場合ですと “International Master’s” が一番条件に合う場合が多いと思います。

プログラムを選択すると(たとえば物理学科:Physics)プログラムの説明や応募資格(Admission Requirements)が表示されます。
以下が現在物理学科の修士課程に応募するための資格です:

  • プログラムに関連する学部で180ECTS分の学士を持っていること
    (ECTSとはヨーロッパで使われる単位です。日本の4年制大学を卒業/卒業見込みなら問題ないと思います。)
  • 学士の成績は平均C以上であること
    (Cとは60点くらいのことです)
  • 英語が一定以上できること:例えばTOEFL iBT 90点以上、またはIELTS O.A. 6.5点以上
    (その他の証明方法はホームページを見てみてください。英検やTOEICは使用できませんのでご注意ください)

大学やプログラムによって細かく異なる場合もありますが、「学士の成績60点以上」と「TOEFL iBT 90点以上、またはIELTS 6.5以上」はほぼノルウェー中の修士課程で同一なのではないかと思います。
(ノルウェーの大学で基準がこれよりも緩やかだったり厳しいところをご存知の方は是非教えてください!)

ノルウェーの修士課程に応募するための提出書類

まず、締め切りをチェックすることをお勧めします。
「EU外」「EU内」「北欧内」で締め切りが異なるのでご注意ください!
日本人である場合は「EU外」を見ていけば大丈夫です。以下はEU外からの締め切り日の一例です。(8月入学の場合)
ちなみに応募や書類の送付はすべてオンラインで行われますので郵送日数は考えなくて大丈夫です。
一番注意すべきは英語の試験の証明書を締め切り日までに準備しなければいけないことです。

内容日付
応募締め切り12月1日
書類のアップロード締め切り12月15日
英語の証明書締め切り2月1日
結果発表4月5日前後

必要な書類は以下の通りです。全て英語である必要があります。
また、すべてPDFでアップロードする必要があり、どのような名前でアップロードするべきかも指定があります。

  • パスポートの写真のページのコピー
  • ノルウェーに住むための資金が足りることの証明
    本人、または親などのスポンサーの銀行口座に126357ノルウェークローネ以上(約160~170万円)あることの証明。金額は年によって変わります。
    また本人以外がスポンサーになる場合はスポンサーになる意向をサインした書類も提出しなければなりません。
  • 高校の卒業証明書
  • 大学等の高等教育の卒業証明書と成績証明書、または卒業見込み証明書
  • 英語能力証明書
  • CV(英語で書く履歴書)
  • その他プログラムで独自に必要な書類がある場合はその書類

ノルウェー国内のすべての大学への応募はSøknadswebというポータルサイトで行われます。

以上の説明の具体例はこちらからご覧いただけます。

https://www.ntnu.edu/studies/msphys/admission


以上がノルウェーの修士課程に応募するための資格や方法の簡単な説明でした!
大学や年によって細かい部分が変わってくると思うので、必ずご自身で大学の公式ウェブサイトをチェックしていただければと思います。

それでは、どうぞ良い一日をお過ごしください!

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ノルウェーの学校システム

ノルウェーの大学院生、山瀬クリスティーナ静香です。
今回は世界一教育にお金をかけているノルウェーにおける学校システムについてご紹介したいと思います。
基本の構造は日本の学校システムとよく似ていますが、細かい部分に違いがあるので解説させていただきます。

こども園 1~5歳
日本では幼稚園や保育園にあたりますが、ノルウェーでは分かれていません。ノルウェー語でBarnehage(Barn=子供、hage=園)というので「子供園」と書かせていただきます。
実はノルウェーの子供園は無料ではありません。地域や園が公立・私立かにもよりますが、最大価格が月額3315NOK(2022年1月のレートで43000円ほど)です。子供がたくさんいたり、収入が低い場合には国からサポートが入ります。

小・中学校 6~15歳
日本と同じように義務教育です。小学校が7年生までで日本より1年長いです。また、ほとんどの小・中学校が公立で無料です。

高等学校 15~18歳(年齢は様々です)
小・中学校や相当の教育機関を終えた人は3年間の高等教育を受ける権利があり、ほとんどの高校は無料です。

大学
学士は日本より1年間短く3年間です。修士課程は2年間です。エンジニア等を養成するプログラムだと学士+修士で5年間のプログラムになっている学科も多くあります。学費は国籍に関わらず無料です。
博士課程は大学から雇用され、給与が発生して税金も納めるので、ノルウェーでは「学生」のカテゴリーから外れます。基本期間は3年間ですが、「デューティー・ワーク」という授業を持つなどの仕事をすれば4年間に有給で延長できます。
(詳しくは別の記事でご紹介します!)

このように、お金を全くかけずに大学院までの教育を受けることができ、コンセプトは「貧富の差に関わらず誰もが平等に教育を受ける機会があるべき」という部分であることをよく感じると思います。

番外編:フォルケホイスコーレ(Folkehøgskole)
日本でも近年話題になっているので聞いたことのある方もいらっしゃるかと思います。直訳すると「国民高等学校」で、「みんなのための学校」というコンセプトです。元々はデンマーク発の学校で、今はスカンジナビア全体でさまざまなフォルケホイスコーレがあります。
1年間寮に住み込みで、何かを学びたいという学ぶ意志のある人なら試験なしで誰でも入学することがあります。(年齢の下限は通常18歳頃です。)授業の理解度を評価するテストもありません。
教育自体は無料ですが、寮費・食費・材料費・旅費などで年間合計100~200万円相当ほどかかります。細かい費用は専攻(linje)によって異なります。

ではどのような専攻(linje)があるのか?
アウトドア・スポーツ・芸術・手芸・音楽・演劇・メディア・旅・文化・技術・・・
など、600種類ほどのプログラムが存在するそうです。

私自身は実際にフォルケホイスコーレで学んだことはないのですが、周りに行った人は本当にたくさんいます。(ちなみにその人たちはそれぞれ犬ぞり、民族ダンス、民族音楽、音響学、サッカー、調理などを学んだそうです。)
ノルウェー人がフォルケホイスコーレに行くタイミングとしては高校卒業直後が多いですが、大学を休学して途中で行ったり、自分の人生に合ったタイミングで行くことができます。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

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